ペットに関する病気とは?

フィラリアって何?どういう症状がある?

うちわと蚊取り線香

予防薬の普及で発症する個体数が減少しつつあるのがフィラリア症ですが、適切な予防策をとらない限り現在でも犬にとっては生命にかかわる脅威になっている事実に変わりはありません。
フィラリアは蚊が媒介する寄生虫で日本国内では16種類もの蚊が媒介するとされているので、屋内屋外の飼育場所の如何をとわず常に感染するリスクがあります。
稀には人にも感染するといわれているので、ペットの感染予防が人間にとっても健康上のリスクを軽減させることにもつながります。
そこでフィラリアの病態や症状・治療や予防策などをご紹介します。

フィラリアに感染した犬に蚊が吸血することで、その蚊の体内に幼虫が入り込みます。
その後、感染した蚊が他の犬に吸血することで幼虫が別の犬の体内に入り込んでしまいます。
犬の体内で成長を続けて成虫になったフィラリアは心臓の右心室やそこにつながる肺動脈に寄生するようになるのです。
成虫が肺動脈に住み着くことで右心室からは十分な血液を全身に送り出すことができなくなります。
同時に右心室に戻ってくるはずの肺動脈からの血液も十分に確保できません。
その結果全身への血液循環が十分に行われなくなるので慢性心不全に類似した症状を呈するようになります。

フィラリアは成虫に成長するまでに数ヶ月かかり、肺動脈の血流を障害するまで繁殖するには数年程度の時間が必要になるので、犬も感染当初は無症状です。
その後、慢性的な咳や散歩に行きたがらない、散歩途中で座り込むなどの異変が観察されるようになります。
血液循環が恒常的に不足するために肝臓や腎臓などの血管が豊富な臓器ではうっ血が生じ、多尿やむくみなどの腎臓機能障害や腹水なども症状も末期には呈します。
治療には駆除薬の投与が中心になるわけですが、フィラリアの死骸が肺動脈などの大血管を閉塞させるリスクがあります。
そのため駆除薬の投与は慎重に臨む必要があります。

大量にフィラリアが寄生した場合、全身状態が許せば、外科的に除去する「つり出し法」が行われることもあります。
しかしながら、根治的治療のリスクが高いと判断され、症状を緩和するだけの姑息的治療をするほかない場合も珍しくありません。

このように根治的治療には難しい側面があるので、まずはなによりも発症を予防することのほうが重要です。
ペットのフィラリア症予防には予防薬の投与が効果的です。
予防薬は体内の幼虫を殺す作用をもっているもので、蚊が出る季節になると毎年定期的に投与する必要があります。